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それから彼は誠意を込めて謝ってくれた。 
  時差もあったし、バイトが忙しくて、と・・・ 
  彼が一生懸命なので、表向きは笑って許すことにした。
  
  けれど、わたしの気分が晴れることはなく、それからの2週間、何とか大学の講習を受け、ニューヨークにも観光に行き、またサンフランシスコ経由で日本に帰る日も近づいてきた。
  
  サンフランシスコでは同性愛者をたくさん目にした。 
  すごく格好良い男性同士が手をつないで海岸を歩いていたり、キスしていたり、 
  彼のことをまだ許せてはいなかったけれど、無償に彼に会いたくなっていた。
  
  サンフランシスコで立ち寄ったブティックで、ダメージのデニムのシャツを着ると、何となく現地に溶け込んだように見える気がした。 | 
 
 
 
 
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そして、行きより時間をかけて、日本に帰国。
  
  当然、彼も空港まで迎えにきてくれていた。 
  家庭教師以外でも宝石店でバイトを始めたという彼は、スーツ姿で現れた。 
  初めて見るスーツ姿にドキっとし、またもや結婚を意識してしまう。
  
  
  その彼の手には、何やら大きなスーパーの袋? 
  中から出てきたのは、大きな花束だった!!!
  
  
  たくさんのカスミソウの中に年の数だけ入っている真っ赤なバラ。 
  さすがに空港でバラの花束は目立つもので、おまけに格好の違いがものすごく恥ずかしかった。 
  さらに、引率にきていた年配の女性教師(独身)に冷めた目で見られてしまった。
  
  
  そして、彼のスーツの左ポケットからは、わたしの誕生石の指輪。 
  彼はそれをつけてくれるという。 
  思わずわたしは右手を出してしまった・・・ 
  彼はわたしの左手を持ち替えながら、薬指に指輪をはめてくれた。 
  いつ計ったのか、指輪はわたしにぴったりだった。
  
  
  そして、 
  「ダイヤの指輪は、正式に結婚のご挨拶に行くときに気に入ったものを一緒に見に行こう。」
  
  
  わたしの答えを聞くようなプロポーズではないことに、少なからずショックを受けた。 
  わがままだったのかな? | 
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