まさに王子様タイプ♪
リクリエーション中心のサークルで、主催者の彼はいつも面白い企画を考え、皆の中心でその場を盛り上げていた。
そんな彼に憧れてサークルに入ってくる女の子も少なくはなく、当然ファンクラブが出来るほどの人気者だったのは言うまでもない。
わたしはいつもできるだけ彼の近くにいるように心がけ、努力の甲斐あってか、ちょっとしたことで頭をなでてもらったり、移動に彼の車に乗せてもらったりするようになった。
周りでもわたしと主催者の噂がたつようになり、バレンタインに手作りチョコを渡そうとほのかな期待をもっていたわたしは、そのバレンタイン直前に想いを打ち砕かれてしまった。
実は、彼にはもう1年になる彼女がいたのだ。
同じサークルにいる、決して目立たない普通の彼女が・・・
わたしと仲良くしていたのは、ファンクラブからおとなしい彼女を守るというありきたりな理由から。
じゃあ、わたしの立場は・・・?
そんな時、長年付き合っていた彼女と別れた仲間がいた。
お互い社交的な性格で、会えばふざけてばかりいた。
『失恋デート』と称して遊園地に遊びに行ったのをきっかけに距離が縮まり、いつの間にか付き合うことになっていた。
付き合い始めて1年半になる頃、夜景を見に行き、そろそろ帰ろうかとベンチから腰を上げたとき、彼に腕を引かれてベンチに戻される。
「ずっとこのまま一緒にいたいな。いつか結婚したいね。」
そんな彼の言葉にびっくりしたわたしは、
「ちゃんと就職して、稼ぐようになってから言ってほしかったな・・・」
しまった!!!
と思ったときにはもう遅く、それから気まずい雰囲気のまま帰路につき、その後デートを重ねても、もう元に戻ることはなく、彼とはさよならしてしまった。
だって、結婚を現実に考えていたわけじゃないから、ただもうびっくりしたんだもん・・・
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